豊かな自然に囲まれたこの家の施主は、学校教育に携わるNさん夫妻。家族構成は夫妻の他に小さなお子様が二人(設計時。現在はもう一人のお子様に恵まれている。)ということで二階に設けた広い子供部屋は将来分割できるように配慮。二階へと続く階段はキッチンの横に配置し、自然とコミュニケーションが生まれるように考えられている。
広いウッドデッキには岩でつくられた小川があり、静かに流れる水の音がその場を癒しの空間に変えてくれる。庭の一角には特別に作られたバーベキュースペースもあり。
「離島から転勤してくるということで、いろいろと任せていただいた部分が多かった」(直野氏)。離れた土地に家を建てるという困難を乗り越えられたのは、綿密な打合せの積み重ねと信頼できる建築家との出会いがあったからだろう。
島原市の城内という閑静な住宅地。数分も歩けば武家屋敷や城に触れられる恵まれたロケーションである。施主は学校教育に携わる30代のSさん夫妻。「こころ安らぐ家にしたい」というのが夫妻の希望であった。豊かな敷地面積を活かしてほぼ平屋建てという設計にしたのも“家族のつながり”を意識したため。コアとなるリビングの吹き抜けは視線の変化をもたらし、十分な採光を確保した。
子供用に設けられたロフトはバルコニーへとつながり、天窓からはあたたかい光が降り注ぐ。シックにまとめられたパウダールームと、ミストシャワーを備えたバスルームは“オトナ仕様”の空間だ。飾らない美、素直な希望の集合があたたかな美しさを創り上げた。オーナー夫妻の感性を建築家がカタチにした、世界でただ一つの家である。